HISTORY えびすこ物語
挫折と向き合うことが
明るい未来への原動力
株式会社A-STYLE 代表取締役小路晃は富山出身の48歳、地元の経営者全体を見回してもその経歴は極めて異色だ。30代半ばまで格調家として活躍し、伝説の格闘技イベント「PRIDE」で歴代最多の23戦出場を果たしたことから「ミスターPRIDE」とも称されるカリスマ・・・そんな彼が“セカンドキャリアとして飲食経営の道を選んだのは、偶然すぎる出会いがきっかけだった。
引退後はラーメンで
戦うという決意
2006年、予定されていた試合そのものが消滅するという“自身の商品価値を疑う”挫折を味わい、トレーニング先のシアトルで自暴自棄になりかけたとき、ふらりと立ち寄ったのが1軒のラーメン屋。思いがけない土地で口にした母国の味もさることながら、日本人老夫婦が2人で切りもりする姿に温かさと力強さを感じたことが「引退後はラーメンで(戦う)」という決意に繋がったそう。結果、常に頭の中にあった“引退”の不安が“未来”への希望へと変わり、ポジティブな夢に支えられることで2011年まで(15年間の)選手生活を全うすることができ、格闘家の歴史に色濃く名を残せた小路“選手”。
人間味こそが
小路の最強の持ち味
引退半年後に富山に戻って第1号となる「つけめんえびすこ」をオープンさせた際も超速の転身ぶりに周囲はざわついたが、実は引退の2年前から「A-STYLE」は起業しており、並行して 準管を進めていたのだそう。むしろ最後まで決めかねたのは、仲間やファンがたくさんいるなど商業的メリットも多かった東京を離れ、最終的に富山を選んだのは「故郷の存在が支えだったから」という恩義、そんな“人間味”こそが小路の最強の持ち味と言えるだろう。